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教授挨拶

教授 毎田 佳子

少子化、高齢化、働く女性の増加、晩産化、情報化、グローバル化など、近年の日本を特徴づける社会構造の変化やライフスタイルの変化は、女性の疾病リスクにも変化をもたらしています。また、科学技術の目覚しい発展は、私達の日々の暮らし方を変えるだけでなく、医療のあり方にも大きな変化をもたらしています。科学の進化はまた、自然が時間をかけて作り上げたヒトの生命活動が、如何に精緻巧妙かつ柔軟で素晴らしいシステムであるかを教えてくれます。

女性分野では、全ての女性が生涯を通じて心身ともに健康で暮らせることを目指し、看護や医療、基礎科学を織り交ぜた研究を目指しています。また、母から子へと健やかに世代が引き継がれるように、母子の支援に焦点をあてた課題にも取り組んでいます。

女性の幸せを願う皆さん、研究を通じて、変動する時代を生きる女性の健康を守るための課題解決に是非一緒に挑みましょう。

助産師を志すみなさん

助産学分野では、女性の健康を支援する専門職者として、高い実践力を持った助産師を育成する教育を行っています。当分野ではまた、大学院博士前期課程における助産師教育の一貫として、課題研究も行います。研究の計画から実施、成果発表に至る一連の過程を経験することで、根拠に基づいた助産ケアの実践に必要な思考力や判断力を身に付けることを目指しています。

日本は今、妊産褥婦のケアの専門家として、地域の母子の健康を守る専門家として、助産師のチカラを必要としています。本学での深い学びを、助産師としての幅広い活躍につなげましょう。

教授 鏡 真美

私達の研究室では,女性の一生の健康を支援していくことを目指して,教育・研究をしております。女性分野では,母性・助産ケアに関する研究を行うことを主眼とし,助産学分野では,将来助産師として活躍することを目指している人が高度な専門的実践力を修得し,さらに研究的視点を併せもつことができるように教育をしています。

日本は,かつてない少子化問題に直面しており,子育て支援の推進が喫緊の課題となっています。少子化により,「妊娠・出産・子育て」に触れる機会が少ないことが,若年者の将来のモデル形成に影響を及ぼしていることは否定できません。若年者が親になることや子どもをもつことに対して,希望をもてるような社会づくりが急務といえます。そのなかでプレコンセプションケアも注目されており,助産師の存在意義は日々増しています。

一方で,出産年齢の高齢化やハイリスク妊娠の増加等により,安全管理のための医療介入が増えたことで,助産所以外で働く助産師が生理的な分娩の実践に触れる機会が少なくなりました。本来なら「妊娠・出産・子育て」は自然な営みですが,医療介入が増えてきた助産の現場が日常的になっており,その状況に助産師も助産学生も慣れてきている感覚すら覚えます。

「妊娠・出産・子育て」が自然な営みではなくなってしまう時代になる前に,今こそ産婆の時代から大切にしてきた諸先輩方の知恵技術をエビデンスとして提示することで,助産師だからこそできるケアを追求していきたく思います。そして,助産学を実践科学として継承できるように大学・大学院の使命を全うします。

金沢大学は長い助産師教育の歴史があります。女性の健康を追求し社会に還元することを目指して,ともにチャレンジしましょう。

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