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教授コラム

我が国の助産師は“何を学び、何をなすべき人”なのか、ICMのグローバルスタンダードが声明(2010年)されてから、個々人に、考え究めることが問われているように思います。ICMから助産師のコアコンピテンシーと教育モデル(2012年)が交付された現在、私たちは助産師が必要とされる役割は何でしょうか。それに付随する助産師が担当したケア責任を自立してもてる技量と知的判断力は十分でしょうか。今日の助産師を取り巻く課題は助産師それぞれの活動の場で立ち止まり感じるものが多々あります。産科医の減少を実感し、出産場所の閉鎖と同時に産科の混合病棟化が必然となっている現在、助産師数は一見して満たされつつあるようにみえるが、配置の偏在化と安心して快適な出産環境には至らず、また母子や家族に必要十分な助産ケアを提供できていないもどかしさを感じることも少なくありません。また助産師の養成に係る教育力の低迷、臨床指導者の不足と伴わせて新人助産師の助産実践力が不十分であることも否めず、大きな臨床的・教育的課題に直面しています。助産実践とその教育がユニフィケーションできるように、そして助産ケアの質を保証できるように研究力の習得もめざしています。

第27回の日本助産学会学術集会を金沢で開催しました(平成25年5月)。国内外の学術交流とユニークな実践成果を共有できるプログラムで盛会に終えました。先進的な研究成果と高い実践力をもつ助産師仲間から強力な御支援をいただき、「知の探究と実践力の考究」をメインテーマに参集した学術集会の成果が、本学の助産師同窓生の活躍できる一端になることを願っております。

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